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歯医者さんってなぜ何度も通わないとダメなの?
2021/05/13
「何でこんなに何度も通わないとダメなの?」
「儲けるためなんじゃないの?」
「治療時間長くても良いから回数少なくならないの?」
こういった苦情に近いご意見はおそらく日本全国どこの歯医者さんにも寄せられているご意見と思われます。
でも実際、理由があって何度も通っていただく必要があるんです。
今日はそのご説明をいたしましょう!
むし歯はその進行度合によって治療内容が異なります。
例えば、エナメル質に限った小さいむし歯の場合は一度の治療で終了するでしょう。
しかし、むし歯が深く神経にまで到達している場合は、神経の処置や歯の内部の消毒や反応の確認、内部へのお薬の注入などが必要になります。これらはどうしても数回に分けなければいけないのです。また、これらの処置を疎かに行うと再治療や抜歯のリスクが高まります。
更に、失った部分が大きい場合には金属を用いて修復します。型取りをしたものを模型におこし、様々な工程を経て金属が完成するのですが、この作業のために時間を必要とします。
保険診療を行うには、実は細やかなルールが存在しています。これを遵守すると、一回あたりの通院でできる治療に限りが出てくるのです。
保険診療は「日本国民(あるいは加入している外国人)に皆すべて平等に医療を提供する」ために存在しています。
ひとりに治療が集中しすぎて他の方の治療の機会を奪わないようにという考えが根底にあります。
歯石取りが数回に分かれてしまうのもルールがあるからです。
「歯石を取ったら歯肉の腫れが改善されたかどうかを検査しなさい。」
「検査結果が悪い場合のみ、もっと深い場所の歯石を取りなさい」
というようなルールが存在しているのです。
「そんなこと言って、実際は儲かるからじゃないの?」
ってのもよーく言われます(特にお酒の席で・・・笑)。
よほど歯医者さんに不信感あるのでしょうね・・・(苦笑)
仮に一度で終わる治療を無理やり2回に分けて得られるのは5〜600円ほどになります。
そのためにすべての器具やチェアを滅菌消毒し、数々のディスポーザブルなものを消費するのはナンセンスです。
できるだけ少ない治療回数にして、別の患者さんのためにチェアを用意したほうが圧倒的に儲かります・・・(苦笑)。
「複数の歯を一気に治療してほしい」
というのもなかなかできることではありません。
もし、右下と左下を一日で治療して、両方が腫れたり傷んだりしたらどうなるでしょう?
両側に起こった痛みや腫れを治療している間の食事や会話は非常に困難になります。
もし、右下の奥歯2本を一日で治療して、右下に強い痛みがでたらどうなるでしょう?
明確に「一番奥が痛い」とわかるケースは極稀です。大抵の場合、「どっちが痛いかわからないけど右下が痛い」となります。そうなるとどちらが原因の歯なのかの特定は非常に難しくなります。
また、むし歯だけでなくお口の中のかみ合わせ全体を考えながら治療をしていきますので、一度に多くの歯を治療するとかみ合わせへの影響も大きくなってしまいます。
そのため、一度に多数の歯を治療するよりもかみ合わせを考慮しながら一本ずつ治療していくほうが望ましいのです。
「予約していったのに歯医者で1時間も待たされた」なんて苦情を良く耳にします。
当院でも、1時間待たせるというのが急患対応であったりスタッフの急病などによる人材不足などが原因だったりで非常に稀に発生することはあります。(30分お待たせするような状況が当院の場合は月に一例発生するかどうかです)
ひじりデンタルクリニックでは、基本的にはお約束した時間に診療を開始し、お約束した時間までに診療を終了することを大事にしています。
そのためには患者さんにもお約束した時間を守っていただく必要があります。
しかし残念ながら当院での当日キャンセル率は約10%(大雪などのときは除きます)。更に無断キャンセル率は約5%となります。
これは全国的にみて多い数字かというとそうではありません。皆様のご協力により、ひじりデンタルクリニックの当日キャンセル率は全国平均以下の数値となります。ありがとうございます!
もちろん急な用事や体調の急変などもあるでしょうからある程度は仕方のないことですよね。
しかし現実としては、毎日4〜6人の方が診療当日にキャンセルされているわけです。
当日であってもご連絡をいただければ空いた時間を利用して、急に痛みが出てしまった方などに来ていただくよう調整をします。しかしながら無断キャンセルの場合はチェアもスタッフも完全に空き時間となります。痛みをこらえて待っておられる患者さんがいらっしゃったとしても、お約束がありますので例えチェアやスタッフの手が空いていても急患の方を通すわけにはいきません。
このような他の患者さんにご迷惑となるようなリスクを最小限にするために、治療時間は30分が基本となっております。
「では治療時間を長くとり、治療回数を減らすことは無理なのか?」と言われると、そうではありません。
平日の17時以降や土曜の診療は多くの方が希望される時間帯ですので、その時間帯での集中治療は難しいですが、比較的予約を取りやすい時間であれば集中治療も可能となりますのでスタッフにご相談くださいね。
しっかりがんばって治療が終わったあと、定期健診を行いましょう。
治療終了後、次に来院していだけるのが「痛くなったから」という理由で5年後だった場合。
その場合はお口の中のお掃除を最初から行わないといけません。5年分の歯石は相当な量です。5年放置されたむし歯の治療は神経の治療が必要になっているかもです。これではまた多くの治療時間と治療期間がかかります。
定期健診であれば数ヶ月に一度の来院で、一時間弱の時間で終了します。
そしてこの定期健診を行っていれば、虫歯になる確率はグッと減らすことができます。もしむし歯になってしまったとしても小さいうちに発見できることが多いので、治療回数も非常に少なくすむでしょう。
実際、定期健診に通っている方のほうが他の全身的疾患も少なく、医療費も少ないという統計的データもございます。
定期健診によりお口の健康を保つことが治療回数を減らす秘訣ですね。